読書ロク

読んだ本の内容を、片っぱしから忘れてしまう自分のための記録

「揺るがず、逃げず、小さなことにこだわらず」

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「相手理解は聞くことからしか生まれないのです。(p.3)」
 
その"聞く"姿勢について、カウンセラーとして得た知見をもとに丁寧に分析しているのが、東山紘久(2000)『プロカウンセラーの聞く技術』である。
 
良い聞き手であるということは、"徹底的に"聞き手であることだという。
・聞かれたことしか話さない
・素直に聞く
・LISTENせよ、ASKするな
・言い訳しない
・説明しない
というように、筆者が唱える"聞き手"像は、とことんまで話し手を受け入れる。
そして、自分という存在をほとんど感じさせないのだ。
 
しかしこれは、無関心とは違う。
「相手の話は相手のこと(p.127)」と割り切りながらも、決して話し手を突き放すのではなく、相手への共感を示す。
「揺るがず、逃げず、小さなことにこだわらず(p.174)」、相手の感情をしっかりと受け入れられたとき、安心して感情を吐き出せる避雷針としての"聞き手"の役割をまっとうできるのだ。
 
これまでの2冊(佐々木圭一『伝え方が9割』、大嶋祥誉『マッキンゼー流 入社1年目ロジカルシンキングの教科書)は、発信することをテーマにしたものだった。今回のテーマは、その対となる、受信。
たまたまだが、これら3冊をこの順番で読めたのは幸運だったと思う。