「人生とは、連続する刹那」
人生は登山だ。
そう喩えられることに慣れ親しんできたから、
苦しいときは山を見ては
「頭のなかを真っ白にしてただ登るだけでいいのなら、どんなにか楽だろう」
なんて考えていた。
しかしアドラーは、人生は登山ではないと言う。
「われわれは、"いま、ここ"にしか生きることができない(p.264)」
登頂を目指して、それを成し得たときにはじめて人生が完成するような生き方を否定し、
ダンスをするように生きる、
"いま、ここ"の刹那に強いスポットライトを当て、
"いま、ここ"を必死に生きることを提唱する。
他者の課題を内面化して悩んだり、
自己に過剰に執着をしたり、
未来や過去が見えるような錯覚に陥ったり、
そうやって余計なことを考える前に
"いま、ここ"で全力でダンスをせよ。
極端な思想のようにも見えるが、
わたしには、真理をついた考え方のように感じられる。
常識を覆しているわけではなくて、
ただ角度を変えてシンプルに捉え直しているだけなのだろう。